|Home| visitapd.exblog.jp
|
カテゴリ
♂ Introduction ♂ 言語 (英語他) ♂ 建築 ♂ 植物/お庭 ♂ 文化/年中行事 ♂ ディスプレー ♂ おすすめアイテム ♂ Airplanes/Bus/Car ♂ 暮らす英国 ♂ 散歩の英国 ♂ 観光の英国 ♂ 年号で英国 ♂ 物語で英国 ♂ 食する英国 ♂ 飲料の英国 ♂ 欧州の話 ♂ 豪州の話 ♂ (未分類の) F&B ♂ 食器 ♂ TV ♂ 映画 ♂ マナー ♂ News ♂ スポーツ ♂ 音楽/演劇 ♂ 教育 ♀ Why.........? ♀ Think about ... ♀ Me-and-My-Life 〓 Link 〓 検索
その他のジャンル
記事ランキング
画像一覧
|
2005.2.10 チャールズ英皇太子の再婚報道があった日、私はわけあって CBS ニュースでそれを聞いた。さすがアメリカのTV、ちゃんとポイントを押さえている。それにくらべて日本の TV はワイドショーネタ並みで現実的なポイントからずれている(新聞記事はしっかり報道していたが・・・)。
「世紀のロマンス」「王冠をかけた恋」と言われたエドワード八世とシンプソン夫人の事件がダブってきますが、第二次大戦前に国王のエドワード八世(現在の女王エリザベス二世のおじさん)は人妻のシンプソン夫人と恋に落ちる。彼女には、現在の結婚以前にも離婚歴がある、この離婚歴が障害となったのです。 英国国教会 (プロテスタント) は、離婚は認めているが、元配偶者が存命の場合には、教会での再婚を許可していなかった (教会が認めないということは宗教的に国教会が認めていないということ)。従って、チャールズ皇太子とカミラさんとの結婚で最大の問題とされたのは、カミラさんの離婚歴に伴う元配偶者が存命であるということ。CBSのアンカーはレポーターに対して、「この結婚に問題はないのですか?」と問いかけ、レポーターは「チャールズ皇太子は既にダイアナ妃が亡くなられていますので問題はありませんが、カミラさんの方は元配偶者が存命です」と返答。 王位継承後に英国国教会の長も兼ねるチャールズ皇太子とカミラさんのケースは“禁止規定”に該当するため、再婚は難しいといわれていました。ところが2002年に英国国教会はこの規定を見直し、条件付きとはいえ「聖職者の判断に基づく」と教会での再婚を可能にしたらしい。皇太子の再婚に反対していたエリザベス皇太后の死去直後にこの見直しが行われたことが許せない! エリザベス皇太后(現在の女王エリザベス二世の母/母子そろてエリザベス)は、義理の兄にあたるエドワード八世がシンプソン夫人の件であっさり王位を捨ててしまったために、突然、王位がその弟である夫(ジョージ六世)に舞い込んできてしまったから、ヨーク公夫人からいきなり王妃になってしまった(現在の女王エリザベス二世が11歳の時)。ジョージ六世はどもりを持っていたとされ内向的、彼女は、戦時中、自分の家(バッキンガム宮殿)が 9 度の爆撃をうけてもロンドンを離れず、夫を助け前面に立って、ひたすら被災者をまわった人として国民に深く敬愛されています。小泉首相の尊敬する人はチャーチル首相らしいが、この二人は戦争時の国民のシンボルなのです。エリザベス二世即位後は、Qeen's Mother の愛称で親しまれていました。彼女は生涯、シンプソン夫人のことを「あの女」と呼び許さなかったし、現在の女王エリザベス二世も父が存命中は、母にたして「お願い!弟を生んでちょうだい」と言っていたほど、家族にとっては(棚から牡丹餅ではなく)「棚から爆弾」の事件だったことがうかがえます。 一方、英王室の結婚については、君主(エリザベス女王)が、いかなる場合でも結婚に反対できると定められており、また、王位継承権のある者の結婚は「首相」に意見を聞かねばならないとも明記されています。それらの反対を押し切って本人が強引に結婚しようとも最終的には議会に“拒否権”が与えられている。王室の結婚では政府と議会の権限が大きいため、1936年にエドワード八世が王位を放棄したのも結婚に政府が反対したのが大きい(政府が反対した理由は政治的絡みもあるのですが・・・)。 そのため、最終的には、君主と首相と大主教による合意が図られる仕組みで、チャールズ皇太子の場合、「結婚式は教会ではなくウィンザー城で行う」 「皇太子が国王になってもカミラさんは王妃にはならない」 の妥協案で三者が合意、落ち着いたとみられています。(ウインザー城の)個人チャペルで挙げることも、自治体法でその後3年間は一般使用を許可しなくてはいけなくなるので、挙げることもできず、市民公会堂になったわけですが・・・。 カミラさんに贈られた婚約指輪の報道がイギリスではありましたが、何が許せないって、それがエリザベス皇太后の所有していた指輪であること。何につけても、代々、母から娘へと受継がれる慣習の多いイギリスとはいえ、それは駄目でしょう!! 彼女は喜ばないし、いくらお婆ちゃん子のチャールズ皇太子からの贈り物とはいえ、カミラさんだっていやじゃないのかしら? 因に、「王冠をかけた恋」のエドワード八世の結末は悲惨。退位のラジオスピーチ終了直後(写真:かの有名なラジオスピーチ)、直ちにイギリスを去ることとなるが、夫妻の不仲、夫人の恋人発覚、ナチスの件も絡んで21世紀になってその悲惨さが暴露されました。夫妻は人前ではそんなことは微塵も見せることなく一生「世紀のロマンス」を演じ続けなければならなかった。こんなことなら王位を捨てなければよかった、愛人のままにしておけばよかったとエドワード八世は思ったのではないでしょうか? 宗教改定されたチャールズ皇太子のケースのことを、BBCの王室担当記者は 「この一歩は、王室にとって、相応なリスクがないとはいえません」と語っています。
by riesuzuki67
| 2005-03-23 13:23
| ♂ 年号で英国
|
ファン申請 |
||