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7月の晩、英・Channel 4 で、"The British Middle Class" という番組をやっていました。英国の階級社会の歴史を探るキュメンタリー・シリーズで、全3回 (前の週は Working-class、翌週は Upper-class)。この日は、Middle-class にスポットを当てたものでしたから、「中産階級」の起源とそのパワーについてでした。
[Working-class] 私達のような「労働者階級」のこと。昨今は聞こえがよくないので、Commoner (一般市民/平民) なんて言ったりしますが。 [Upper-class] 「上流階級」のことで、主に「貴族」階層の人。 近代ツーリズムの始まりとされる「グランド・ツアー」という言葉をご存知ですか? 今でこそ、各社旅行代理店が、この名で周遊旅行パッケージを提供していますが、その元となった言葉です。今も存在する英国の階級社会を十分理解していないので、実は、私も消化不足でよくわからないことのですが・・・ この回の TV 番組では、「グランド・ツアー」によって中産階級がもたらした建築に関して、そして、場所もリヴァプール・マンチェスター・リーズに現存する建築とイタリア ルネッサンス建築の相似がメインでした。確かに影響を受けたそっくりな建物でした。 1837 年、ヴィクトリア女王が即位し、この女王の時代に、英国は栄華の頂点を極めます。「産業革命」がもたらした工業化によって世界各地の植民地から莫大な富がもたらされ、裕福な「中産階級」が生まれてきます。それまで、英国での観光旅行は国内の旅にほとんど限定されており、海外への旅といえば、ごく僅かの貴族達に限られていました。 17〜18 世紀、英国の急激な変化により、生まれたものが「グランド・ツアー」で、貴族 (上流階級) の子弟教育の重要な一環として流行します。「グランド・ツアー」と称されたこの旅は、ヨーロッパ大陸 (特に文化先進国であったイタリアやフランス) へ、子弟達を勉学を兼ねて旅行させるもので、家庭教師や時には牧師までも同行し、通常1〜2年に及ぶものでした。この経験は英国の若者が真の「ジェントルマン」と見做される最低条件と考えられるようになります。 「グランド・ツアー」のようなものは、16 世紀頃からあり、また、19世紀半ばにはより大衆化したパッケージ・ツアーに変化し、有名な「トマス・クック」や「ベドカー」といった旅行ガイドが活躍することになるのですが、その中間時期、上流階級から知識階級である中産階級にまで「グランド・ツアー」が行き渡る時期のお話です。 映画「眺めのいい部屋」は、中産階級の子女の話ですから、女性も叔母様などを共だってフィレンチェ等に行ったようですね。 彼らは、ヴェニスやフィレンチェ、パリなどを訪れ、(ターナーに見られるような) 美術 (絵画) 作品、建築様式を吸収してきます。また、ヨーロッパ各地からノベルティーとして特産品を英国に持ち帰ってきます。イタリアのカメオやモザイク、スイスのエナメルが施された装飾品・ジュエリーなどが、ヨーロッパ各地に広まった要因も、グランドツアーと言われています。 建築様式において、「英国バージョンは、●●様式」と表現するのは、こういった経緯も関係しています。
by riesuzuki67
| 2005-08-22 15:14
| ♂ 年号で英国
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